ケーススタディ2:家族の生活を守る
Kさんは現在74歳。3人の子どものうち長女が知的障がいを持っていて、長女の将来の生活を守るため収益不動産を増やしてきました。現在、15部屋の物件を所有し、Kさん夫妻と長女は年金と家賃収入で不自由のない暮らしを送っています。ただ、Kさんは高齢のため、自分や妻にもしものことがあったとき、自分で財産管理できない長女の暮らしを心配しています。
目的 | 親なきあとの長女の生活をサポートする |
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委託者 | 父親(Kさん) |
受託者 | 長男 第2受託者 次男 |
受益者 | 父親【設定時】→ 第2受益者 長女・長男・次男 |
信託財産 | 都内の中古ワンルーム15部屋/現金 2,000万円 |
Kさんは息子たちに資産状況を話し、信託契約を交わすことを決断。マンションと現金の管理・運用者に長男を任命して、不動産から得られる家賃収入を長女の生活資金にあてるというのが今回のプランです。これにより長女は、Kさん夫妻が亡くなった後も、兄弟のサポートを受けて経済的に困窮せずに暮らしていくことができます。
今回のケースでは、父親であるKさんが元気なうちは、不動産から得られる収入はすべてKさんに属する契約にしています。仮にKさんが認知症になったとしても、マンションの管理・運用は受託者である長男の判断で行うことができるので、財産が凍結してしまう心配はありません。
相続発生後、長女が施設に入る必要がある場合には、その費用は一部のワンルームの売却により捻出することできます。また、生活費や介護にかかる費用は信頼できる長男が管理することより、長女は資産をだまし取られる危険を避け、生活には何の心配なく過ごせることになります。